「999人の幽霊が1000人目の仲間にみなさんを加えようと待っている」
そんなキャッチコピーでおなじみの『ホーンテッドマンション』
ちなみに「ホーンテッド(haunted)」とは、「幽霊の出る」とか「取りつかれた」などの意味があり、直訳すると「幽霊屋敷」と言う意味になります。
余談ですが、日本では「お化け屋敷」と言う言葉が広く使われているのですが、お化けは本来の姿から何かに変身している”化けもの”なのに対して、幽霊は人の姿をした状態を指すので「幽霊屋敷」と言うのが正解のようです。(なんとも日本語は難しい…)
さて、幽霊を扱ったアトラクションであるため建物の周辺には不気味な演出が散りばめられています。
不気味な待ち時間表示
まず、私たちを最初に楽しませてくれる不気味な演出が”待ち時間”の表示です。
ディズニーランドでの待ち時間表示は5分刻みが基本なのですが、ホーンテッドマンションでは独特な表示を見ることができます。
それが…
13分待ちなど”忌み数(いみすう)”を使った演出です。
忌み数とは「4=死」「9=苦」など縁起の悪いことを連想させる数字のことで、13も「13人目の招かれざる客」「13日の金曜日」など縁起のよくない数字として知られており、ホーンテッドマンションではわざとこういった忌み数を待ち時間に使用して不気味さを演出しています。
私たちが目撃したときは夜間「13分待ち」が表示されていましたが、この他「4分待ち」「9分待ち」も使用されることがあるようですよ。
ただ、普通に使われる「15分待ち」の表示もあるので、これより短い待ち時間にならないと見ることのできない”レア表示”と言えるでしょう。
音楽に隠された秘密
ホーンテッドマンションに欠かせないのが場面ごとに演奏される音楽です。
オルガンを使用したテーマ、ゴーストたちがゆかいに歌う「Grim Grinning Ghosts」など不気味な音楽から軽快な音楽まで幅広く使われているのですが、実はアメリカのディズニーランドより低いキー(調)で演奏されているのはご存知でしょうか?
ちなみにキーとは、カラオケボックスに行ったときの#や♭設定と同じで、#にすれば音楽全体が高い音域になり、♭にすれば低い音域になります。
このキー設定が、アメリカのホーンテッドマンションが#だとすると、東京のホーンテッドマンションは♭に設定されているので、同じ音楽でも全体的に”暗い”感じに仕上がっています。
そもそも、なぜ音楽のキー設定が異なるのでしょう?
その理由は”幽霊”に対するアメリカ人と日本人の感覚や価値観の違いにあります。
アメリカ人はハロウィンなどにみられるように明るいイメージなのですが、日本人はお化け屋敷や怪談話に代表されるような怖いイメージが主体になっているので、幽霊に対するイメージがそのままキーとなって表れているのだそうです。
正直、聞き比べをしてみないとわからないのですが、動画サイトなどで調べて聞いてみるとキーの違いがわかりますよ。
アメリカンジョークな墓標
アトラクションを終えると出口には墓標がずらりと並んでいます。
多くの方は素通りしてしまうのですが、実はこの墓標に刻まれているのは人名のようにみえるアメリカンジョークなのです。
・Harry After (here after / 死後)
・Clare Voince (clairvoyance / 透視)
・C U Later (See you later / また会いましょう)
・Hal Lusinashun (hallucination / 幻覚)
・Paul Tergyst (poltergeist / ポルターガイスト現象)
・THEO LATER (See you later / また会いましょう)
など…
(出典:Wikipedia)
なんともアメリカらしい発想ですが、出口の細部に至るまでこういった不気味な演出がされているのはディズニーらしい部分と言えます。