ワクワク感を胸にディズニーランドのエントランスを通ると目の前に『ワールドバザール』が広がります。
朝方は「お目当てのアトラクションに一直線でワールドバザールは素通り…」と言う方も多いと思うのですが、このワールドバザールにはディズニーランドを楽しむための魔法がたくさん散りばめられているんですよ!
今回はワールドバザールに隠されたヒミツを紹介します。
ワールドバザールのモデルは?
ワールドバザールに入ると目の前に広がるのは古き良きアメリカの街並みで、ウォルトディズニーの故郷であるミズーリ州のマーセリンと言う地域がモデルになっています。
ちなみに時代設定は19世紀から20世紀初頭(日本では明治時代に相当)なので、使用されている音楽も「Smoky Mokes(1899)」「Polka By Request(1901)」などアナログレコード(LP)全盛期の曲がBGMとして使用されおり雰囲気を盛り上げます。
実際、ワールドバザールの音楽を聞くと「ディズニーランドに来たぞー!」となる方も多いのではないでしょうか?
さて、ワールドバザールの中には昔ながらのゲーム器材を取り揃えた「ペニーアーケード」がありますが、実はここで使われている器材は中身(電子回路)こそ更新されているものの、外見などは実際に使われていた器材がそのまま使用されているそうです。
今の時代ではなかなかお目にかかることのできない器材ですが、こういった細部にまでこだわりがあるんですよ。
ワールドバザールは日本だけ!?
おなじみのこの街並みですが、実はワールドバザールと呼ばれているのは日本だけで、他のパークでは「メインストリートUSA」と言う名称が使われているのはご存知でしょうか?
と言うのも、ワールドバザールは約4000枚ものガラス屋根が設置されているのですが、メインストリートUSAには屋根が存在しません。
これは梅雨や台風など雨の多い日本の気候に配慮したものなのだそうですが、屋根がある状態で”メインストリート”と呼ぶには違和感があったため「ワールドバザール」と言う名称に変えられたのだそうです。
余談ですが、「アリスのティーパーティー」も他のパークでは「マッド・ティーパーティー」と呼ばれているなど、日本に合わせて名称や設定が変えられたものも結構あるんですよ。
なぜエントランスは一か所だけ?
最後に、みなさんは「なんで広く、ゲストも多いのにエントランスがひとつしかないの?」と疑問に感じたことはありませんか?
遊園地や動物園などでは「正門」「北門」など駐車場の最寄に複数の出入口を設けているのが一般的ですよね。しかし、ディズニーランドやディズニシーではエントランスは一か所しかありません。
そのため、土日ともなると「インパーク(入園)するのに1時間以上もかかった…」ということもあり得るのですが、ここまで人が集中することが予想できてもエントランスが一か所しか作られなかったのは『ワールドバザールを通ってもらうことを目的』にしていたからです。
ウォルトディズニーの考え方のひとつに「ストーリーの重要性」が挙げられます。
物語を構成する上で「起承転結」が大切と言われていますが、ワールドバザールがディズニーランドにおける”起”の役割を果たし、「現実世界から古き良きアメリカの世界(ワールドバザール)を通って夢の国へ…」と言うストーリーを私たち展開してくれてます。
つまり、ワールドバザールと言う”序章”を必ず通るからこそ、ゲストはその先に広がるディズニーの世界に徐々に引き込まれていくわけです。
そのような点からワールドバザールはディズニーランドにとって無くてはならない存在と言えますね。